内縁の妻へ遺産を残したい場合
遺言書
遺言者である私、吉野健三は、次の通り遺言します。
第一条 私が所有する以下の土地建物を内縁の妻で有る内籐京子(1942年9月10日生まれ、住所 東京都墨田区○○3-5-19)に遺贈します。
・土地
所在 東京都墨田区○○ 地番 000 地積 000㎡
・建物
所在 東京都墨田区○○ 家屋番号 000 木造瓦葺2階建て
床面積 1階 00㎡、2階 00㎡
第2条 第1条に記載した以外の全財産は、法定相続分に従って、長男吉野幸一、二男吉野進に相続させる。
第3条 遺言者吉野健三は、本遺言の執行者として行政書士荒木清彦氏を指定します。
付言事項
京子は、お前たちの実の母親ではないけれど、お母さんが亡くなってから長い間私を公私共に支えてくれた恩人です。
京子も歳を重ね、住むとことが確保されなければ安心して生活できないと思うので、現在の土地、建物を京子に遺贈することにしました。
幸一も進も京子と良くコミュニケーションをとって、不動産のことを含めた今後のことを十分考えてください。
2013年4月25日(木)
東京都墨田区○○3-5-19
遺言者 吉野健三
この遺言書は、遺言者亡き後の内縁の妻の生活を心配して作成された遺言書です。
遺言者は、妻と死に分かれ、内縁の妻と長年生活を共にしていたのですが、息子たちの反対と世間体を考えて、正式な婚姻届は出していません。
如何に長年内縁関係にあっても内縁関係(事実婚)の関係では、法定相続人にはなれません。
そこで、遺言書によって、内縁関係にある妻に遺産を残す必要があります。
また、遺言者の意思を実現するには、遺言執行に大きな権限を持つ遺言執行者を誰にするかも重要なことです。
この遺言書では、遺言者である吉野健三氏の古い友人であり、行政書士として遺産相続業務に豊富な経験を持つ荒木清彦氏を遺言執行者に指定しています。
現在遺言者と内縁の妻である京子の住む住居を京子に遺贈すれば、息子たちからクレームがつく恐れがあるので、付言事項を付け加えています。