遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

公正証書遺言の知識

遺言書

遺言者三重野左吉は、以下の通り遺言する。
1.遺言者の所有し現在居住する土地建物を妻順子(1940年8月9日生まれ)に相続させる。
尚物件の内容は、別紙添付した財産目録を照会すること。
2.長男次郎(1964年2月23日生まれ)には、雑貨店開業資金として1500万円とその後運転資金等の名目で1000万円貸し付けているが、その返済を免除する。
尚、この免除は次郎が特別受益者にあたることになるので、このお金を相続財産に参入し、長男次郎の相続分は0とする。
3.長女の美恵子(1966年5月3日生まれ)に、現金300万円と株式会社友好商事株式300株を相続させる。
また、恵美子の結婚の際には、マンション購入資金として400万円を贈与しているので、この400万円を特別受益として相続財産に参入する。

2013年4月29日

東京都町田市幸町3丁目4番15号

                       遺言者  三重野佐吉  
長男の次郎は、父左吉から生業の雑貨店の出店に際し、合計2500万円もの贈与を受けています。
このように一人の相続人が相続分を大きく超える贈与を受けていれば、他の相続人と争いの原因になります。
本 遺言書は、そんな不安を解決するための 遺言書です。
まず、遺言者は妻の老後を考慮して、妻の順子に現在の住まいである土地と建物を一括して相続させています。
次に、相続人が、被相続人(遺言者)から生前贈与を受けていた場合は、その財産を相続財産に参入(持ち戻し)して、相続時に特別受益分を差し引いて、結果的に相続財産を公平に分配するのが相続法上の原則です。
ただ、妻の介護や扶養、また祭祀の承継を行わせるため、他の相続人よりも多く相続させたい場合は、相続財産に特別受益を組み入れない方法(差し引き計算をしない=持ち戻しの免除)をなすことも出来ます。
尚、時別受益は、相続財産に参入し、その合計額がいわゆる「みなし財産」となりますが、そのみなし財産を相続分に従って分配し、もし、遺言者から生前受けた特別受益額がこの額よりも多ければ、相続時に受け取れる額は0になり、また、みなし相続分の額が特別受益額を上回れば、その差額のみを相続することになります。

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