遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

秘密証書遺言のメリットと問題点

遺言書

遺言者田口光弘は、次の通り遺言する。
1.長女松井兼子に、以下の財産を相続させる。
ⅰ)遺言者田口光弘が現在長女松井兼子と共に居住するマンション(東京都港区元麻布8丁目3番4号 湾岸レジデンス802号、固定資産税評価額3500万円) ⅱ)四ツ橋銀行中屋支店 普通預金 口座番号0492210 田口光弘名義の預金の全てを相続させる。
ⅲ)遺言者田口光弘が被保険者である五反田生命保険株式会社の死亡保険金5000万円の受取人は兼子であるが、このうち2000万円を長男牧夫に渡すこと。
2.長男田口牧夫に以下の財産を相続させる。
ⅰ)明治物産株式会社株式500株を相続させる。
3.遺言執行者に長女松井兼子を指名する。
4.以上のように、長女兼子の相続分を長男牧夫に比べ多くしたのは、亡き妻緑子が脳出血で倒れた後、介護・扶養に努めてくれたからです。
牧夫には、海外留学の資金を提供し、現在もその知識と経験で十分な生活をし、また、将来的にも不安がないと思うので、以上のような遺産配分としました。

2013年5月1日

東京都港区元麻布8丁目3番4号

                       遺言者  田口光弘   
本遺言は、遺言者である田口光弘が妻緑子と死別し、その後長女の兼子が両親の介護を務めていた場合の 遺言書です。
遺言者田口光弘は、長女兼子介護に感謝して、長男光弘より多くの財産を相続させています。
また、長男光弘は、留学資金を遺言者から受け、そのおかげで現在十分な生活が出来ていることも考慮しています。
生命保険金は、原則として受取人の固有財産であり、遺言者(被相続人)の遺産ではありませんが、この金額が相続財産に比較して高い場合は、特別受益とみられる場合があります。
そこで、相続人間の不公平を緩和するため、保険金の受取額を他の相続人に移転することも相続を円滑に行う知恵と言えます。
また、そのような遺言者の思いを付言事項(本 遺言書では、4条)で記載すると良いでしょう。

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