遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

遺言執行者の職務

遺言書

遺言者上川成治は、以下のように遺言する。
1.遺言者は、以下に掲げる建物賃借権と財産を現在同居中の内縁の妻上野松子(大阪府大阪市西成区○○3丁目5番9号、1949年4月2日生まれ)に遺贈する。
ⅰ)建物賃借権 所在地 大阪府大阪市西成区○○3丁目5番9号  家屋番号 347番 種類 住宅  木造瓦葺平屋建て  床面積 149.33㎡ ⅱ)上川成治名義の大阪緑銀行の普通口座預金 口座番号 0219846の預金の全額。
2.遺言執行者にサンルート弁護士事務所(大阪府大阪市北区○○3丁目○番○号)代表弁護士早瀬誠弁護士を指名する。

2013年5月21日

大阪府大阪市西成区○○3丁目5番9号

                    遺言者  上川成治  
本遺言者には、同居するいわゆる内縁の妻の他に、正妻も存在しています。
ただ、正妻との中は冷え込んでいて、長年に渡り正妻とは暮らさず、内縁の妻と暮らしています。
ただ、法律婚ではない内縁関係では、内縁の妻に相続権はないので、遺言者は、内縁の妻の行く末を考慮して本遺言を作成しました。
本遺言では、建物賃借権を遺贈しています。
建物賃借権は特定の人の間に生じる債権ですが、大都市では賃借権の価値が高く、かなりの金額で取引されることも多いのです。
そこで、賃借権は、法定相続人が存在する場合は、法定相続人に承継され、内縁の妻は相続出来ないのが原則です。
ただ、賃借権を有する遺言者に相続人がいない時は、借地借家法の規定で、賃借人と同居していた者が、賃借人の権利義務を承継することになっています。
本遺言では、賃借権と共に預金の遺贈を行っていますが、一般的に正妻と内縁の妻は不仲であるので、財産の遺贈に正妻や遺言者の子供がクレームをつけ、相続争いになる可能性が高いと言えます。
そこで、このような相続争いを防ぐために、相続問題に精通した弁護士を遺言執行者に指名しておくことが肝要です。

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