遺言が必要な場合3
■被相続人に未成年者がいる
相続人が未成年者である場合は、遺産分割協議に際して、代理人を立てる必要があります。
また、父親がなくなり、その妻と子が相続する場合、未成年の子とその母親は 利益相反関係にあるので、母親は子の代理人になれません。
そこで、裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。
このような面倒な手続きを避けるために、遺言を残す価値があります。
■傷がいのある子を持つ方
遺言が無ければ、例え難病を抱えていたり、身体や精神の障がい等のハンディを持つ子であっても、相続人の相続分は全て同じです。
このような場合、その子の将来を考えて、その子の相続分を他の子より多く相続させる旨の遺言作成が必要です。
■離婚協議・調停中の配偶者に対する相続
現在事実上離婚状態で、協議離婚の交渉・調停中であり、夫婦関係の実態が無い場合でも、法律上は夫婦としての扱いを受け、もし、離婚成立前に配偶者が死亡すれば、一方の配偶者が法定相続分の2分の1を相続します。
この事実を受け容れ難い被相続人は、「妻○○に相続させない」旨の遺言を残せば、妻の2分の1の相続分は、遺留分の4分の1の相続分に減少させることが出来ます。
■世話になった嫁に財産を残したい
被相続人よりも相続人である息子が先に亡くなり、その息子の嫁が被相続人を長年看護してきたといった事例があります。
他の兄弟姉妹等の相続人が、被相続人の世話を嫁に任せきりであった場合も、被相続人の遺産相続権は嫁にありません(特別縁故者となる可能性は高い)。
そこで、嫁に相続財産を残すためには、嫁と養子縁組するか、遺言で遺贈の具体的財産を特定する必要があります。
■縁故者に財産を残したい
遺言することで、相続人がいない、又は、あまり付き合いのなかった法定相続人への相続分を抑え、世話をしてくれた法定相続人ではない他人に、遺産を分配することが出来ます。