遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

遺産分割の基準

遺産分割の実質的基準は、民法906条に明文規定があり、「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と規定しています。
遺産分割の基準はこのほか、経済的基準があり、経済的基準として相続分という基準があります。
遺産を構成する具体的な財産は、不動産、動産、債権等、言わば金目の物なら何でもその財産に含まれ、多種多様なものです。また、一口に土地といっても、宅地や農地、山林等によって利用価値や利用方法も全く性質の異なる財産もあります。
更に、相続人に関して言えば、相続人の年齢、職業、収入、健康状態等もまた多種多様でそれらの人の現状を考慮して遺産分割をする必要があります。
例えば、農家の長男で農業を被相続人と共に行い、今後も続けて行くつもりなのに、被相続人の有していた農地を多くの兄弟で分割しては、生業である農業が成り立たない可能性が生じます。
そこで、民法はこのような事情にも対処できるように、遺産分割においては、相続の背景となる多種多様の事情も考慮して分割すると規定しているのです。

遺産分割において、相続人が被相続人の意思に反して相続分を変更し、自由に分割してもよいのかが問題となります。
この問題について、裁判所の遺産分割審判では、「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して遺産分割を行なうものの、これは遺産分割を実行する際の指針を定めたものであり、各人の最終的な取り分の割合は相続分に従わなければならない という裁判例が通例と言えます。
この裁判例の意味するところは、現に建物居住している相続人にその建を取得させたり農業を行っている農業従事者である相続人にその農地を取得されることには配慮するが、それらを取得させたことで相続人間に不均衡が生じる場合には、現金やその他の遺産で均衡をとりながら分割を行い、相続分の実質そのものまでは変更出来ないとすることです。

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