遺言取り消し・撤回の問題点
遺言書
遺言者甲山信作は、2010年3月3日に
遺言書を記し、サンルート法律事務所に預けているが、この
遺言書の全てを撤回し、新たに以下のように遺言する。
1.遺言者は、以下の不動産を長男の甲山信也(東京都板橋区大山西3丁目○番4号 燦サンマンション405号、1954年6月8日生まれ)に相続させる。
ⅰ)土地 東京都板橋区大山南○町目3番5号 地目宅地 地積342.23㎡
ⅱ)建物 上記土地に建つ居宅 家屋番号349 木造瓦葺平屋建て 239.34㎡
2.長女乙川智子(東京都板橋区中屋○町目5番○号、1957年5月6日生まれ)に、遺言者甲山信作名義の板橋銀行大山支店 普通口座 口座番号0210986の預金の全てを相続させる。
3.次男甲山一郎(東京都北区十条本町○町目4番○号、1960年6月12日生まれ)に、株式会社幸製薬株式1000株と瀬戸内化学株式会社株式500株を相続させる。
4.その他の財産については、兄弟3人で法定相続分に依拠し、遺産分割協議で具体的な分割を行う事。
5.遺言執行者にサンルート法律事務所代表弁護士早瀬誠弁護士を指名する。
早瀬弁護士に、相続を原因とする所有権移転登記、預金名義の書き換え、払い戻し、遺産分割協議の主宰等、遺言者甲山信作の相続手続きに付随する全ての権限を与える。
尚、早瀬弁護士の遺言執行者の報酬は、○○万円とし、信也、智子、一郎の3人が折半して支払う事とする。
2013年5月12日
東京都板橋区大山南○町目3番5号
遺言者 甲山信作
一度遺言を作成しても、その後の状況の変化や感情面の変化で、以前作成した
遺言書の内容を変えるたくなったり、変える必要に迫られることもあります。
遺言書は何度でも変えられるので、後悔を残さないためにも、状況の変化に応じてまめに書き換えると良いでしょう。
遺言者の死後に複数の
遺言書が発見され、内容に抵触部分があった場合は、一番新しい日付けの
遺言書の内容が有効です。
また、
遺言書に記載していても、遺言者が目的物を処分したり、故意に破棄した場合は、遺言の撤回とされます。
自筆証書遺言の場合は、遺言者の相続人でさえ、遺言が存在する事実さえ知らないことがあります。
また、何処に保管してあるのかが分からない場合もあります。
そこで、遺言執行人、特に、遺産相続の専門家である弁護士等に預けると、
遺言書の保管は安心です。