相続財産の評価2家屋その他主な財産の評価
1.家屋の評価は、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて求めるとされていますが、現在この倍率は1.0
としているので、固定資産税評価額がそのまま相続税の評価額になります。
2.貸家の評価は、自用家屋の評価額から、その家屋の借家権割合を差し引いた価額です。
現在の借家権割合は30%とされているので、貸家の評価額は自用家屋評価額の70%になります。
ただ、家屋を借りている人には借家権が認められていますが、一部の例外を除いて、借家権は課税価格に組み入れないことになっています。
以上を式に表すと、家屋の評価額=自用家屋固定資産評価額、貸家の評価額=固定資産評価額×(1-借家権割合)になります。
農地の評価額は、固定資産評価額に一定の倍率を掛けて計算するのが原則ですが、但し、市街地等にある田畑については、付近の宅地に比準して計算します。
具体的な算出式は、以下の通りです。
純農地・中間農地=固定資産税評価額×倍率、市街地周辺農地=(宅地の評価額-造成費相当額)×0.8、市街地農地=宅地の評価額-造成費相当額、貸農地=農地の評価額×(1-耕作権割合等)(但し、賃料を支払わない使用貸借によるものは除く)
3.証券取引所上場株式の評価額は、次の(1)~(4)のうち、最も低い金額で評価します。
(1) 相続開始の日の最終取引価額、(2) 相続開始の月の最終取引価額の月平均額
(3)相続開始の月の前月の最終取引価額の月平均額(4)相続開始月の前々月の最終取引価額の月平均額
4.非上場株式の評価は、「気配相場のある株式」と「取引相場のない株式」とにわけられ、それぞれに細かな基準が示されているので、専門家に相談することがお薦めです。
5.生命保険金・死亡退職金の評価は、受取金額-500万円(非課税枠)×法定相続人の数で算出し、この法定相続人の数には、相続放棄した者も含みます。
6.その他の財産の評価の内、一般動産は、評価時点で同じ程度のものを買う場合の価格(調達価格)を原則とし、書画・骨董品の類は、 売買実例価格や鑑定士等の専門家による鑑定価額を参考にして評価額を決めます。
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