遺言書の書式や遺産相続

遺言の書式や書き方

遺産信託のメリットと注意点とは

遺言は、他の民法の原則と異なり、15歳以上の者あれば誰でも自由に作成できるので、敢て遺言信託と言う信託銀行等が提供する相続サービスを報酬を払ってまで利用することもないのではないかと思う方も多いと思います。
そこで、遺言信託の利用のメリットは何処にあるのかを考えてみたいと思います。
1.先ず、遺言信託を行っていれば、遺言の内容を確実に実現することができます。
遺言の執行は、本来相続人間の協議になすべきと考えられますが、相続人間が必ずしも円満な関係とは限りません。
相続人間には利害が対立する場合も多く、遺言の執行が円滑に進まない場合もあります。
そこで、遺言信託の内容である遺言執行人を指定しておけば、遺言の執行が第三者的立場で円滑に執行できます。
信託銀行等の第三者機関に頼めば、知り合いの遺言執行人よりも相続人間の不満は和らげられます。
2.遺産が多岐に渡り、法的な解釈や処理が必要な時、例えば、事業承継等の相続問題では、素人がうまく手続きすることは至難の業なので、信託銀行等の遺言信託の実務的法律的ノウハウを活用することは、大きなメリットと言えます。
更に、信託銀行は、組織で遺産管理ができ、遺産の不動産の活用方法や資産運用の相談、税金対策まで、相続問題を総合的にアドバイスできる能力を有しています。
ただ、遺言信託は、相続法上の制度ではないので、遺言信託で可能なことは、「財産」に関する事項だけです。
家族法に関する子どもの認知や廃除など相続人の「身分」に関することは信託できません。
また、遺留分についての争いも遺言信託の範囲外にあります。
また、遺言信託を利用するには、かなり費用がかかるので、信託銀行を利用せず、司法書士や行政書士に依頼した方が費用を安く抑えられる場合も多いと言えます。
一般的に言って、遺言信託を利用する際には、遺言の内容や財産の種類やその総額等を総合的に判断することが必要です。
遺産が自宅だけというような場合に、多額の遺産信託費用をかけることは現実的ではないと思います。
これらの遺産信託に関しては、最近では、各信託銀行のホームページに詳しい情報が掲載され、また、各信託銀行では、遺産信託のための啓蒙セミナーを開催しているので、興味の有る方はそれらの機会を利用してみると良いでしょう。

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